いちご狩り

　妻がイチゴ狩りに連れて行ってくれないといやみを言う、確かに行きたいとの話をしていたが、困ったことにどれぐらいの優先度なのか判然としない。
　他にもやらなければいけないことや、妻の希望に沿って行きたい所に連れて行ったのにコレである。
　時期的に5月が終われば、東京からはかなり北上しなければ出来ない。
　本当に行きたいなら、もっと具体的な提案をしてくれなければ検討の仕様もない。
　こちらとしてはスッカリ忘れた頃に持ち出されて嫌味言われても、腹が立つだけである。

　妻は、日常においては俺よりもはるかに目端が利き、手先も器用で、要領も良いのだが、殊買い物と旅行については、普段の十分の一も要領を得ない、時間の限度というものが欠落していて1時間で買い終える物を2時間以上掛ける、事前にああだこうだ言うから買うものだと受け取っていると「買っても仕方ない。それが分からないのか？」と言う趣旨の話をする。
　こちらとしては「ハァ？それじゃ前の話はなんだったんだ？」と言いたくなるが、意見を言えという割りに、抗議するとヘソを曲げる。そんな経験は1,2度で充分だ、苦笑してやり過ごすのが一番無難となる。
　なので、こちらからは自分が買って利用する物以外の話は、あまりしないようになる。結局意見が分かれた場合、言い負かされるのはこちらで、そしてそのつもりでいても本当に買うかどうか、その場まで行かないと分からないからだ。反応が悪いとか、話を聞いてないとか言われるが、投入する本気度が不安定なのでは、こちらも緩く構えないとやりきれない。
　妻には感謝している、そのことに報いたいと思っている。
　しかし、今更「イチゴ狩り行けてない」では・・・、自分が乗り物酔いしやすい体質なのだから、バスツアーとか、山の方まで車で長距離移動とかは無理で、東京埼玉近辺で電車でいける範囲なんて限られるんだから、時期ズレたら無理に決まってるだろ！
　そもそも果物なんて季節物なのだから、事前に今度の４～5月には行きたいと3月中に話しがなければ予定の組みようがない。何でこんなこと謂れにゃならんのか・・・